外国人介護について
2016年の人口推計では、出生数が初めて100万人を割りました。子供の数は1974年以降減少しており、労働力不足はますます深刻になっております。
とくに介護分野では高齢者が増えることにより仕事は増えるが、労働力がついていかないということで、大きな課題を抱えていると言えます。
そこで今注目されているのが「外国人介護」です。2008年にフィリピンと2国間経済連携協定(EPA)で始まった外国人介護士の受け入れも10年がたちます。このEPAで特に最近人気があるのが日本語を習得いてから来日するベトナム人だそうです。ちなみに私も昨夏、ベトナムに視察に行ってきました。日本語学校、送り出し機関、ナーシングホームを中心に見学させていただきました。来日する前に日本学校におおよそ半年から1年程度通い、その後日本語能力試験を受けます。日本語能力試験にはN1~N5までの5段階の試験があります。ちなみにN2は観光ガイドを日本語で行うレベル、N1は通訳レベルと思って頂ければよいかと思います。N3レベルの試験とN4レベルの試験をちょっと出してみます。皆さんも解いてみてください(笑)
N4もんだい
( )に何をいれますか?1・2・3・4から いちばん いい ものを えらんで ください。
「わたしの けしごむ 見ませんでしたか。」
「あ、つくえの 下に ( )よ。」
1 おちています 2 おちて いません 3 おちます 4 おちません
N3問題
つぎの文の( )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つえらびなさい。
父が短気なの( )、母は気が長い。
1 において 2 に対して 3 について 4 によって
わかりましたか?いや、わかりますね!(笑)
ちなみに一般の分野に必要とされるのがN4に対して、介護分野ではN3が必要と言われております。つまり、介護分野への派遣はややハードルが高いと言えます。
ところで外国人を労働力として雇用していく場合、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?おそらく低賃金で雇うことができると思われている方も少なくないのではないかと思います。しかし、日本では最低賃金制度というものがあります。これは外国人留学生に対しても例外ではありません。ですので、結局支払う額は日本人に支払う給与と大きな違いはないということです。もしも単純作業の仕事と介護分野の仕事が同額であった時、おそらくハードルの低い単純作業のほうを選ぶ方がほとんどだと思われます。つまり介護分野の賃金は最低賃金と同等ではなく、それより高い金額を支払わなければならないでしょう。
地域別最低賃金時間額についてはこちら
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
しかし、日本人とそれほど変わらない金額を出してまで、外国人に働いてもらいたいのでしょうか?文化も違えば、言語も違う。大変だと思います。しかし、実情は、同等の賃金を支払ってでも、外国人介護労働力が必要になっていると言えます。募集を出しても人が来ないという時代に地方はどんどんなってきています。そんな中、この問題を解決する手段の一つとして、今後外国人介護が注目されていくと思います。