愛ほっと便 2月号 日常生活行動「食べる」ということについて
ひとにとって「食べる」とは、身体の形態と機能が複雑に絡み合って成り立っています。これに社会的、心理的側面が加わることで「食べる」という意味に重みが増します。私たちは、それぞれの形態、機能などアセスメントしてケアを行っていきます。今回は食べる機能と、スクリーニングについて紹介します。
空腹を感じる
↓(ブドウ糖の血中濃度や視床下部や大脳皮質)
食べ物をみて、においをかぐ
↓(眼球 視神経 鼻腔 嗅神経)
食べ物を判断する
↓(海馬 偏桃体)
食べ物を口の中に入れる準備をする
↓(骨 筋肉 神経 耳下腺 顎下腺 舌下腺)
はしまたはスプーンで食べ物を口に運ぶ
↓(コネ 筋肉 脳 神経)
食べ物を口に含み、噛む
↓(下顎骨 咀嚼筋 歯 耳下腺 顎下腺)
味わう
↓(口蓋 顔面神経 舌咽神経 迷走神経 )
飲み込む
↓(舌下神経 舌咽神経 迷走神経 喉頭蓋)
消化する
↓(胃 胃液 胃腺)
栄養を吸収する
(小腸 上下腸間膜静脈 門脈)
食べることのアセスメントに関連する情報として、食事量はもとより、歯 喉 腹部 皮膚 爪 なども観察していきます。
栄養スクリーニングテストを行うこともあります。
右のスクリーニングテストで「はい」と答えた合計が6ポイント
以上の場合、さらに他の評価を進めていきます。
●食事の種類や量を変えなければならない病気あるいは状態がある はい=2ポイント ●1日にとる食事は2食以下である はい=3ポイント ●果物 野菜 乳製品をほとんどとらない はい=2ポイント ●ビール 蒸留酒 ワインを3杯以上ほとんど毎日飲む はい=2ポイント ●食事をとるのが困難なほどの歯や口腔の疾患がある はい=2ポイント ●必要な食糧を買うお金がない はい=4ポイント ●一人で食事することが多い はい=1ポイント ●毎日3種類以上の処方薬や市販薬を服用している はい=1ポイント ●過去6か月以内に意図したわけではないのに体重が4.5㎏増え、あるいは減った はい=2ポイント ●身体的な理由で自分自身で買い物食事がいつもできるわけではない はい=2ポイント
Bickley,LS Szilagyi,PG/福井次矢, 伊部俊子ほか日本語版監修(2015):ベイツ診察法第2版,メディカル・サイエンス・インターナショナル,P138 |
参考にしてみてください。
チーフディレクター 谷口由里