愛ほっと便り 令和3年7月号 大野内科医院
今回は「サービス付き高齢者向け住宅愛ほっと」嘱託医の大野建支院長の紹介です。入居者の主治医となり、病状の相談や緊急時の対応をしていただいております。この冬のコロナ禍で施設での看取りに協力いただき、良い看取りが出来たとご家族に大変喜んでいただきました。
【御略歴】
1980年 自治医科大学卒業
県立中央病院 明浜町高山診療所
愛治診療所 野村病院
国立療養所南愛媛病院等勤務
平成7年7月 大野内科医院開業
【地域医療について】
ご出身の自治医科大学のミッションは「医療の谷間に灯をともす」です。
大野先生は「地元に根付いて、親の代から子供、孫の代まで長く診させていただき、家族の背景を知った上で『患者さんのための医療』を提供したい。背景を知ることで最後は訪問診療により、自宅で過ごすことが出来る。」とお考えになって、地元松山市を離れて鬼北町に開業されたそうです。呼吸器内科を得意とされ、一般内科、総合診療をされていますが、病気だけを対象とせず、患者さんを人として、またご家族までを診て下さいます。
「一番うれしいことは一般医ではあるが、早めに病気を見つけて病院に紹介し治療を受け、病気が治って、患者さんが幸せになる事」と語られます。
【パートナー】
「自分は物事に消極的で新しいことを始めるのは苦手だ。でも、妻が新しいことをどんどん初め自分を引っ張ってくれる。妻は元々病院の看護師で継続医療や継続看護を一緒にやろうと言ってくれたお陰で鬼北町に開業出来た。今でも夜間の訪問診療の時も『さあ、おとうさん行くよー』と運転して一緒に行ってくれる。これが本当にありがたい、これがなかったら訪問診療や緩和ケアのモデル事業を取り組むことは出来ていない。」と感謝されていました。ただ、なかなか口に出してお礼は言いにくいようでした。
奥様が先生の仕事の理解者であり、協力者でもあり、絶妙なパートナーであることが先生のポリシーをつらぬく原動力であることがわかりました。
数年前に大野先生と緩和ケアチームを組ませていただいた時の事です。私はその時に初めて奥様にお目にかかりました。食べられなくて点滴をしている患者さんの訪問をする前に医院に薬剤を受け取りに寄らせてもらった時に、患者さんが血管痛を起こさないようにと、タオルでホットパックを作って一緒に持たせていただきました。私はその気遣いに感動し、病状の変化や処置などに気を取られていて、看護の原点に戻って患者さんの立場で考えることを忘れがちになっていた自分に気づき、密かに反省したことを今でも覚えています。
大野内科医院 診療科内科・小児科
北宇和郡鬼北町近永618番地
℡0895-45-0141