愛ほっと便り 令和4年3月号 作業療法の世界

先日の2月24日(木)、宇和島市立城南中学校の依頼で作業療法士の啓発活動の一環として、作業療法士について2時間の講演をさせていただきました。今月はその一部の場面を紹介致します。

 私自身、作業療法士として活動しておりますが、よく聞かれることが、「理学療法士と作業療法士って何が違うの?」という質問です。理学療法士と作業療法士の違いについては一般的に伝わりづらい部分があるので、少し説明させていただきます。

 まず、作業療法士というのはどのようなリハビリをしていくのかということですが、主には作業を介して人を元気にするということを念頭にリハビリを行っています。ここでいう作業というのはどのようなものかというと、「目的を持った行為全般」となります。つまり生活の中で行うことはほとんど作業ということになります。

 例えば、500m先のスーパーで買い物をしたいけれど、病気の後遺症により買い物ができなくなった方がいたとします。この場合、スーパーまで行くにあたり、往復1kmを歩く必要があります。この歩行の耐久性などに関しては理学療法士の方々が専門分野になります。屋外歩行の練習や筋力トレーニング、歩行補助具の選定などを行い、スーパーまで通えるようにリハビリを行います。一方で作業療法士は何を行うかというと、

購入品のリストアップ、買い物かごの把持、品物の探索と選択、お金の支払いなど、買い物作業に必要とされる工程を分析し、何ができていて何ができていないかを調べていきます。そしてできていない工程について、どのように工夫すればできるようになるかということを考え、一緒に練習していきます。

 つまり、買い物という作業において、買い物を一人でできるようにという理学療法士と作業療法士の想いは一緒でも視点やアプローチは少し違います。ですので、共に協力して利用者さんの希望をかなえることが良いリハビリであるといえます。1人でも多くの学生さんがリハビリという仕事に興味を持ち、理学療法士と作業療法士の違いを知ったうえでどちらかを選んでくれると嬉しいです。

※ちなみに私は進路を選ぶときに、作業療法士の仕事内容をあまり知りませんでした💦

ですので、このような機会は本当に嬉しく思います。城南中学校の先生方に感謝です。

株式会社アクティブモア 

代表取締役 久德壮一郎