第10回愛ほっと中枢勉強会 2期生

   2期生による愛ほっと中枢勉強会もいよいよ10回目となりました。今回より各班による発表がメインになってきます。

2期生のメンバーは10名で、3名、3名、4名の3グループに分かれています。

愛ほっとの大下OTR率いる「チームブラック」

JCHO宇和島病院の山田OTR率いる「チームPOST」

同じくJCHO宇和島病院の毛利RPT率いる「チーム圭真里」

本日はそれぞれの班がテーマに沿って15分の発表をしてもらいました。

最初の発表は「チーム圭真里」。テーマは「筋緊張」です。

大脳基底核ループの話を中心に、筋緊張のメカニズム、痙縮・固縮の違い、また筋緊張に関与する網様体脊髄路、前庭脊髄路について発表しました。

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続いて「チームブラック」。テーマは「運動学習」です。

運動学習を語る上で外せない大脳基底核と小脳について、それぞれの運動学習の進め方の違いについて、また運動学習における効率的な進め方を発表しました。

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そして最後に「チームPOST」。テーマは「高次脳機能障害」です。

自宅に帰れない脳卒中の方の大半が抱えているといわれている高次脳機能障害について、発表してもらいました。範囲は広かったのですが、フロアから出た質問の中で印象的であったのは観念運動失行と観念失行、遂行機能障害の違いについての説明です。この3つの高次脳機能障害は、それぞれ責任病巣は違います。しかし、ある特定の動作が行えないという結果だけ見れば同じことです。そのできない動作における「なぜできないのか」という点でそれぞれ違いがあります。例えば、「歯磨きができない」ということを簡単に例にとってみましょう。

観念運動失行・・・歯磨き動作における手の動かし方が分からない。

観念失行  ・・・歯ブラシの使い方が分からない。

遂行機能障害・・・歯磨きにおける動作の順序が分からない。

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3組の発表を終えて感じたことは、それぞれ奥深くまで調べてきており、とても質の高い内容であったということです。本人たちもそれには気づいていると思います。その気づきは恐らく自分たちが発表しているときに感じたものではなく、他の班の発表を聴いた時だと思います。ほかの班が発表しているときにそれぞれ、「難しい内容のものを発表している」と感じ、反対に自分たちが発表していることに対しては「当たり前の内容のものを発表している」と感じていたようです。これは自分たちが気づかないうちに成長していっているためだと思います。

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残りあと2回になりましたが、今後の2期生の成長にさらなる期待をして、本日のブログを終了いたします。