高齢者虐待防止に関する研修

先日、宇和島市吉田町にある養護老人ホーム「愛生寮」にお呼び頂き、高齢者虐待防止に関する研修の講師をさせていただきました。

この研修は法定研修として定められ、年に数回行わなければなりません。

今回は研修の中でお話ししたことを少しまとめてみようと思います。

 

まず、虐待の種類は以下の通り、大きく5つに分類されます。

殆どの方がイメージしやすい虐待は「1.身体的虐待」ではないかと思います。しかし、虐待はとても幅広いものとなっております。

例えば、「2.放棄放任」においては、同僚の虐待行為を放置することも虐待にあたることになります。

また「3.心理的虐待」では、子ども扱いするような呼称で呼ぶことも虐待にあたるとされております。

このように、虐待は本当に幅広く、だから故に定期的に研修を行っていないと、知らず知らずのうちに虐待をしてしまっているという状況になります。

事実、令和3年度の愛媛県における虐待と認められた事例13件のうち、虐待とは知らなかったという理由が44%となっておりました。

そこで、知らず知らずにしてしまいがちな「身体拘束」と「スピーチロック」を紹介します。

最後に実際にあった虐待事例を紹介します。

 

この事例はYouTubeに載っている動画ですが、動画のコメントを読んでますと、「これは虐待じゃないと思う」など、介護者を擁護するコメントがやや多く見られます。しかし、高齢者虐待の定義に当てはめると完全な虐待事例です。もしかすると、介護者は虐待をしていたという自覚はなかったのかもしれません。このような無自覚での虐待というのは、研修をすることで減らすことはできます。

いつでも、誰でも、どこででも起こる可能性のあるのが虐待である、ということを肝に免じ、自分自身も、組織としても、注意していかなければなりません。