愛ほっと便り12月号 パーキンソン病の重症度分類

パーキンソン病は進行性の病気です。発症の原因はいまだはっきりと分かっておりませんが、大脳基底核の線条体のドーパミン含有量が正常の20%を下回ると、発症すると言われています。パーキンソン病の主症状である運動系障害は以下の通りです。

1.振戦 

 安静時振戦、丸薬丸め様振戦(母指と示指をすり合わせる)

2.筋固縮 

 鉛管現象(鉛の棒を曲げるように硬い)、

 歯車現象(歯車のようにカクカクした抵抗)

3.無動・寡動

 動作緩慢、小字症、

 仮面用顔貌(能面のように無表情で瞬目も少ない)

4.姿勢保持障害

 体幹前傾、前屈、四肢屈曲肢位、立ち直り反射障害、

 突進現象、加速歩行

現在はL-ドパやドパミンアゴニストなどの治療薬の発展により、服薬がうまくいけば症状をある程度抑えて、日常生活を送ることが可能です。しかし、服薬期間が長くなると以下のような問題点も出現してきます。

●Wearing off現象  

 L-ドパの薬効時間が短縮し、L-ドパの血中濃度の変動に伴い症状の日内変動が起こる現象。

●Delayed on現象 

 小腸までの到達時間の遅延や小腸での吸収率の低下により、L-ドパ服用から効果が出るまでの時間が遅れること。

●On-Off現象

 L-ドパの血中濃度とは無関係に症状が変化。何も障害がなく動いていたかと思うと、急に動けなくなるような短時間での日内変動。

●ジスキネジア

 不随意運動の一つで、身体各部位に出現。L-ドパの血中濃度の変化によって生じる。

 

 

パーキンソン病は進行の速度や治療薬の効き方、出現する障害も人それぞれ違うため、まさに100人いれば100通りの症状となります。そこでよく活用されるのがHoehn&Yahrによるパーキンソン病の重症度分類と、厚生労働省研究班の生活機能障害分類です。ちなみに難病医療費助成制度を受けられるのは、この分類において「Hoehn&YahrステージⅢ以上、生活機能障害度2度以上」となっております。ですので、パーキンソン病で日常生活に支障をきたしている方につきましては、一度お近くの脳神経内科の医師に相談してみて下さい(‘◇’)

パーキンソン病の重症度分類と生活機能障害度