「恋ダンス」がリハビリに!?

おはようございます。この昨日に引き続き、本日も愛媛県南予地方は雪ですね。宇和島市に雪が積もるのは1年に1回くらいと大変珍しいことなんです。宇和島 雪

しかし、少し南に下がった愛南町は晴天・・・。不思議です(笑)

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さて、10月から12月までTBS系列で放送されていた、「逃げるは恥だが役に立つ」通称、「逃げ恥」ですが、皆さんはご覧になられましたか?いわゆる30代の独身男性が雇用主で20代の独身女性が従業員という「契約結婚」という形での生活、恋愛をコミカルに描いたドラマでした。特にこのドラマの中で話題になったのが、エンディングで流れる「恋ダンス」です。忘年会シーズン真っただ中ということもあって、たくさんの方が振付を覚えて踊ったのではないでしょうか。

http://www.hoshinogen.com/special/koi/

さて、この「恋ダンス」ですが、実は最近リハビリで使われたということを耳にしました。昨年の8月13日に脳出血で倒れた女優の河合美智子さんが、原宿リハビリテーション病院で「恋ダンス」をリハビリメニューとして40分間踊っていた、と記者会見で仰っていました。おそらく40分間とは厚生労働省から定められているリハビリの時間が1単位20分間であるので、2単位を行ったということだと思います。それにしてもリハビリに「恋ダンス」とは、かなり面白い発想だと驚きました。担当されていた理学療法士の清水元さん(30)はかなり独創的で、しかも効率的で効果のあるリハビリメニューを立案されたと思います。

http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2017/01/13/kiji/20170113s00041000092000c.html

脳卒中になると、一般的には片麻痺と言って、半身麻痺が障害として出現します。簡単に言うと、右脳に病巣があれば左半身麻痺、左脳に病巣があれば右半身麻痺となります。これが一般的に「見える症状」です。しかし、脳に病巣を持つと、単純に半身が麻痺するというだけの症状にとどまりません。言語障害や高次脳機能障害などもありますが、なかなか見えない症状の一つとしては姿勢反応が悪くなるということです。この姿勢のリハビリというものはとても難しい側面があります。手足の運動につきましては一般的に意識の中で行う動作であるのに対して、姿勢反応は無意識であるからです。おそらく、立った姿勢を保つためにずっと意識している人はいないはず。姿勢反応のリハビリに対しては患者さんなどに意識をさせずに行っていかなければ、効果が出にくいとも言えます。

そこで「恋ダンス」の登場です。おそらく「恋ダンス」をされているときは、振り付けに夢中になっていたので、姿勢反応が無意識に働いていたと思われます。そして本人も楽しめながら行えるということに関しては、本当に素晴らしいリハビリメニューだったと改めて思います。

しかし、少し気になったのは、このリハビリメニューを立案したのが理学療法士であったということです。このようなダンスをリハビリに取り入れるというのは、作業療法士が立案しそうなプログラムだと私は思います。つまり、理学療法士でもこのような作業を通じたリハビリメニューを組めるということは、作業療法士でなくてもよくなってきているということではないでしょうか。私は作業療法士として、感心するとともに危機感を感じております。作業療法士としての職域を改めて考えさせられる、良い機会になりました。

原宿リハビリテーション病院

http://www.harajuku-reha.com/

さて、雪道を走られる皆さん、気を付けてくださいね!

三間 雪