愛ほっと便り 令和3年6月号 認知症行動障害尺度
多様な視点で情報を収集し、分析して対象者の全体像を把握し課題やニーズを明らかにすることをアセスメントといいます。ケア実践における基本的なプロセスはアセスメント→計画→実施→モニタリングです。アセスメントを行う際、適切にアセスメントスケールを使用することは重要になります。
2021年より厚生労働省科学的介護情報システム「LIFE」が始まりました。アセスメントツールにDBD13が採用されています。認知行動障害尺度(DBD13)は、認知症の周辺症状(行動・心理症状)を簡潔に感知できる評価指標です。
DBD13は1990年に、28項目からなる「Dementaia Bwhavior Disturbancescale(DBD)」として発表されました。その後、町田綾子先生等の方々が、分析研究されて13項目を選び、DBDの短縮版が完成されました。認知症の軽度から、重度に至るまでの行動が網羅されていると言われています。DBD13の項目は下記に示すものです。
DBD13
1.同じことを何度も何度もきく
2.よくものをなくしたり、置き場所を間違えたり、隠したりしている
3.日常的な物事に関心を示さない
4.特別な理由がないのに夜中起き出す
5.特別な根拠も持たないのに人に言いがかりをつける
6.昼間寝てばっかりいる
7.やたら歩き回る
8.同じ動作をいつまでも繰り返す
9.口汚くののしる
10.場違いのあるいは季節に合わない不適切な服装をする
11.世話されるのを拒否する
12.明らかな理由なしに物を貯め込む
13.引き出しやたんすの中身を全部だしてしまう
0~4段階評価を行う
認知症の周辺症状は中核症状とは異なり、ケアに対する反応性が高いと言われています。DBD13は私たちのケアの効果を判定するためのツールであるので、採点することだけが重要ではないと考えています。このツールでアウトカム評価をすることで、ケアの質を向上し利用者の生活機能などを向上することを目指そうと考えています。
文献
町田綾子:Dementaia Bwhavior Disturbancescale(DBD)短縮版の作成および信頼性、妥当性の検討-ケア感受性の高い行動障害スケールの作成句を目指して-
事業部
谷口由里