愛ほっと便り10月号 山内統括プロデューサー
厚生労働省から2018年に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」が発表されました。これは2007年の「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」の改訂版です。
改定では、医療従事者だけでなく介護従事者に対象を拡げており、アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning:ACP)の概念が明確にされています。
先日、愛媛県緩和ケアモデル事業の一環として、
医療・福祉関係者で考えるACP「人生会議」
宇和島医師会で実施されました。
弊社からは、訪問看護ステーションの西野とサービス付き高齢者向け住宅の菊池介護部長と二神介護福祉士が参加しました。
研修会では、ACPの定義と共にACPをうまく進めるためのコツや実践に向けた講義がありました。その後、研修会に参加している医師、看護師、介護支援専門員、介護福祉士で、グループワークを実施しました。
救急、緩和ケア、在宅、施設等様々な場面でのACPの必要性や困難だと感じていることなど率直な意見が多く見られました。
ACPの実践のために、本人と家族等と医療・ケアチームは対話を通し、本人の価値観・意向・人生の目標などを共有し、理解したうえで、意思決定のために協働することが求められると実感できた研修でした。
人生の最終段階に備えて、人生の物語を豊かにできる支援が重要であると改めて感じました。
日本老年医学会
「ACP推進に関する提言」2019年
一人ひとりが生きるプロセスは本人の人生の物語のプロセスであり、人生の物語の土台として生物学的な生命がある。
医療・ケアは本人の人生の最終段階に至るまで、本人の人生の物語をより豊かにすること、少なくとも悪くしないことを目指して提供されるべきである。