愛ほっと便り11月号 パーキンソン病かと思ったら
現在、パーキンソン病を罹患している方は、日本で15万人を超えていると言われています。凡そ1,000人に1人と言えますから、人口約78,000人の宇和島市では80名ほどのパーキンソン患者さんがおられると思われます。パーキンソン病は難病指定の疾患ですが、難病指定における「希少性」の基準が人口の0.1%以下であるということから、近年、平均寿命の延伸とともに増加してきている疾患であるということは容易に想像ができます。ですので、パーキンソン病は難病とはいえ、決して自分と縁のないものであるとは言い切れません。
さて、自分がパーキンソン病かも、と思うときはどのようなときでしょうか?パーキンソン病に発症して、すぐに気づく人はほとんどいないと思われます。実際のところ、パーキンソン病を発症してから、パーキンソン病と診断されるまでに、平均2年間くらいの年数を要すると言われています。それではなぜ、診断がつくまでにそれほどの時間を要するのでしょうか?
まず、パーキンソン病の多くの方は、「歩きにくくなった」か「手が震える」といった症状で最初に身体の異変を感じます。その前の症状として「便秘」や「嗅覚障害」がありますが、ここで身体に異変を感じて病院を受診する方は少ないと思われます。そのため、発症してから身体の異変を自覚するまでにある程度の時間差があります。それでは「歩きにくくなった」、「手が震える」という症状が出たときに、すぐに病院へ受診されるでしょうか?恐らくいつか治るかもとそのまま様子を見ながら放っておく方が多いと思われます。それでもなお歩きにくさや手の震えがひどくなった時に、初めて病院受診を考えます。この時に一般的に多いとされているのが、整形外科や内科への受診です。歩きにくさやよくわからない身体の異変があるわけですから、当然の選択だと思います。
肝心なのはこれからで、パーキンソン病の診断については脳神経内科の受診まで辿り着かなければなりません。といいますのも、パーキンソン病の診断の専門は脳神経内科の領域です。脳神経内科に受診して初めてパーキンソン病と診断がつくため、他科から脳神経内科へ紹介してもらわなければなりません。つまり、診断がつくまでのスピード感については、異変を感じてからすぐに受診ができるか、そして整形外科や内科から脳神経内科への紹介がスムーズに行えるか、というこの2点がポイントになってきます。
幸いにも宇和島圏域においては脳神経内科を有する病院があるため、整形外科や内科の医師が「パーキンソン病かも?」と思ったらすぐに紹介してくれます。そのため発症から診断までの期間は短いと言われております。しかし、場所によっては近くに脳神経内科を有する病院がないなど、紹介できる環境にない地域もあります。そういう点に関して、宇和島圏域は大変恵まれた環境であるといえます。「パーキンソン病かも?」と思った方は、一度脳神経内科を受診してみてください。
宇和島圏域で脳神経内科を有する病院
① 近藤医院
住所:愛媛県西予市宇和町卯之町1丁目376-2
電話:(0894)62-2311
診療日:月~土 (日祝日休み ※水、土は午前中のみ)
② JCHO宇和島病院
住所:愛媛県宇和島市賀古町2丁目1-37
電話:(0895)22-5616
診療日:水曜隔週(※問い合わせ必要)
③ 宇和島徳洲会病院
住所:愛媛県宇和島市住吉町2丁目6-24
電話:(0895)22-2811
診療日:予約制 (※問い合わせ必要)