愛媛排泄ケア研究会 南予地区勉強会

平成30年3月18日 日曜日

介護付き有料老人ホーム なごみ荘をお借りして、勉強会実施しました。

3つの事例報告があり、会でディスカッションしました。

事例報告

○尿閉のある患者へトイレ誘導を実施した事例

   真網代くじらリハビリテーション病院  菊川智子さん

脳卒中で回復期リハビリテーション病棟に転院してこられた患者の事例です。

転院前日に膀胱内カテーテルを抜去したばかりでした。尿閉に対して導尿を50日間続けた後、定期的なトイレ誘導を始め、導尿回数の減少と自尿が見られました。自尿と共に表情が豊かになったり、ADLが回復する効果が見られました。

根気強い排泄ケアではありましたが、急性期病院との連携が課題となりました。

 

○排泄支援から笑顔のある暮らしを

   特別養護老人ホーム自在園  立花美紀さん

尿失禁のある入居者に排泄日誌を記入し、排泄誘導しました。また、日誌により飲水量が多すぎたことに気づき、適正な飲水量に調整したことで、失禁の回数が減少し、夜間の良眠が得られた事例でした。

入居者一律に2000ml以上の水分摂取を勧めていたそうですが、これを機会に入居者の年齢、疾患、体重などに応じた水分量を栄養士と共に考え調整するようにしているそうです。

 

○サービス付き高齢者向け住宅入居者の排便コントロールの一症例

   愛ほっとデイサービスきほく 茂木まりさん

我が愛ほっとからの発表です。前施設で認知症により、尿意便意がなく、便失禁、弄便のためトイレには行かず、オムツ使用し、行動制限を受けていた方が当施設入所になりました。

便秘で嵌入便があるために、ダラダラとType7の排便があることをアセスメントして、トイレに座って頂くことから始めたところ、3週間ほどでトイレでType4の排便があるようになり、排尿もトイレで出来る時があるようになりました。それに伴って、表情も豊かに生き生きと過ごされるようになりました。

ご家族も勉強会に参加してくださり、認知症で施設職員に迷惑をかけてしまうことを気にしていたこと、トイレに行くことを諦めていたのに嬉しいと意見を述べていただきました。一同うるうるでした。

 

ミニレクチャーでは昨年9月に開業された

泌尿器科 山下クリニック 山下 与企彦医師により

排尿障害と薬剤についてお話しいただきました。参加者からの質問に丁寧にお答えいただいたり、一緒に考えていただいたり出来ました。

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排泄ケアはこの3事例からも分かるように、人間の尊厳の回復に大きく影響すると思います。排泄はトイレでするという当たり前のことですが、高齢者や障害を持つ方にとって当たり前でなくなっていることがあります。

看護・介護する者が排泄の援助を作業のように、こなしてしまう様になるとモチベーションも下がってしまいます。正しい排泄アセスメントができて、援助計画を立案し、上手くいった時の患者や利用者の喜び、自分たちの幸せ、共感したいと思いました。排泄が上手くいくようになると利用者や療養者の生活が、明らかに変わります。

是非、一緒に考えてみませんか。

愛ほっと統括プロデューサー 山内 千由紀

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