宇和島商工会議所 講演会
6月19日に宇和島商工会議所が主催で行われた講演会に出席させて頂きました。
講師は特定非営利法人グリーンバレーの理事長である大南信也先生でした。テーマは「神山プロジェクト」ということでしたが、皆さん、神山町ってご存知ですか?
徳島県名西郡神山町ですが、徳島県の北東部に位置する人口5,400名、高齢化率約50%の地方都市です。数字だけとってみればどこにでもある地方の小さな集落に思う方もいるかもしれません。しかし、この神山町、実はあることで注目されています。
2011年には社会動態で1955年以降、初めて増加に転じました。つまり、移住者の多いまちということです。なぜ、高齢化の進んだ山間のまちに移住者が多いのでしょうか?
それには大南理事長をはじめとする神山町の方々の、長年の取り組みが花を咲かせているのだと思います。
1999年、「神山アーティスト・イン・レジデンス」事業に取り組みます。これは、世界中から芸術家を招聘し、8月から一定期間住んでもらって、芸術作品を作りやすい環境を提供するわけですけども、その結果、まちには芸術品で溢れていき、おしゃれなまちの外観となります。そうして芸術家を中心に少しずつ移住者が増えていくわけです。
そして、2004年にケーブルテレビ兼用の光ファイバー網に取り組み、2010年には東京からのIT企業のサテライトオフィスの進出が相次ぐようになり、結果として2011年に社会動態でプラスに転じたというわけです。そうすると、飲食店も増え、歯科医院も増え、という形でどんどん新しい仕事ができていったということです。
恐らく1999年の時には、反対する方も多かったのではないかと思います。事実、「神山アーティスト・イン・レジデンス」事業を始めてから10年間は、大きな変化は感じなかったと仰っておりました。しかし、未来へ投資をするということは、そういうことなのだと思います。決して結果はすぐにはわかりません。投資によっては自分の生きているうちに結果の見えないこともあるでしょう。そのような中で、未来にどうバトンをつないでいくのか、ということを教えて頂きました。
地方創生が叫ばれる中で、消滅可能性都市として挙げられた自治体はたくさんあります。その中で、今後、消滅の道に辿っていくか、または存続し続けていくのかということの決定因子は、決して住んでいる人口の数でも、高齢化率でもありません。重要なのは自分の地域を想い続ける人の数だと思います。人口が少なく、高齢化率の高い神山町における成功事例に触れることで、改めて考えさせられました。
神山町、まだ行ったことないので、近いうちに行ってみようと思います(*^^*)