年収340万円以上で3割負担!?
介護保険制度見直しに関して、キーワードが2つあります。それは
1,地域包括ケアシステムの深化、推進
2,介護保険制度の持続可能性の確保
です。
この「介護保険制度の持続可能性の確保」の取り組みの1つとして、利用者負担のあり方の検討が進められています。2015年8月から年金収入280万円(合計所得金額160万円)以上の方を対象に介護保険2割負担が始まりました。現場としては周知が不足しており、当時混乱されている利用者やその家族の人が多かった印象を受けます。
さて、この利用者負担が2017年8月から変わりそうです。年収340万(合計所得金額220万円)以上の方を対象に介護保険3割負担になります。ちなみに65歳以上の方の所得の割合としては、以下の通りです。
年収340万円~ 3%
年金収入280万円~339万円 7%
年金収入280万円未満 90%
これから2025年にかけて、後期高齢者数が大幅に増えていくことを考えると。このままでは介護保険制度自体が持続できません。そのため、負担割合が大きくなっていくことはある程度仕方のないことかもしれません。しかし、2015年の時のように、知らない方が多く、混乱するということは避けてほしいと思っております。言いにくいことではありますが、周知徹底をしてほしいと思います。
ちなみに、1つ注意点があります。3割負担の方の対象で年収340万円以上もしくは所得合計金額220万円以上、そして2割負担の方は年金収入280万円以上もしくは合計所得金額160万円とあります。この年収ですが、年金だけが対象ではありません。その他の所得で一時的に入ってくる収入も含まれます。例えば、株の売買により生じた利益、不動産売買、生命保険の満期の返戻金などにより、一時的に年収340万円以上もしくは所得合計金額220万円を超えるケースがあります。この場合、一時的に所得があったその翌年1年間は3割負担になるということもあります。介護保険、医療保険を利用されている方は、翌年以降の介護保険、医療保険の負担額も同時に考慮していく必要があります。