令和7年度 第1回宇和島市自殺対策連絡会
昨日、宇和島市役所201会議室にて開催された
【令和7年度 第1回 宇和島市自殺対策連絡会】に、宇和島市PTA連合会会長として出席してきました。

この会議は、行政・医療機関・教育機関・福祉団体など、さまざまな立場の関係者が集まり、
市内の自殺予防に向けた取り組みや課題を共有し、今後の方向性を考える重要な場です。

◆ 自殺対策の現状と課題
冒頭では、宇和島市における自殺者数や年代別・要因別の傾向が報告されました。
全国的に見てみると、2024年は自殺者数20,320人と前年に比べて1,500人あまり減少しており、1978年の統計開始以降、2番目に少ない数値となったようです。ただ、日本の人口も減っていることから安易に自殺対策が充実しているとは言い切れないのが現状かもしれません。
一方で、問題となっているのが小学生~高校生の自殺者数が過去最多になってしまっていること。子どもの数は減少しているにもかかわらず自殺者数が増えているということは大きな問題であり、若年層のメンタルヘルスが課題となっていますが、
宇和島市でも学校現場や家庭、地域全体での早期発見・相談体制の強化が求められています。
特に、
●家庭での気づき
●学校における見守り
●地域での孤立防止
など、多層的な支援が重要であることが改めて確認されました。
◆ ゲートキーパー養成と認知の重要性
今回、特に強調されたのが
【ゲートキーパー】の存在です。
ゲートキーパーとは、
悩みを抱える人に気づき、声をかけ、必要な支援につなげる
“いのちの見守り人”のこと。
医療従事者だけでなく、
学校職員、保護者、地域の人など、
誰もが担い手になれるという点が大切です。
ゲートキーパーの養成が進むことで、
「話しづらい」「言いづらい」と感じている人に対し、
適切に寄り添い、孤立を防ぐチカラが高まります。
私たちPTAも、
子どもや保護者の小さな変化を見逃さない存在として、
認知を広げ、関わりを深めていきたいと改めて感じました。
◆ 自殺未遂のうち、何人が自殺に至るのか
会議では正光会宇和島病院の渡部三郎理事長から、自殺未遂者への支援の重要性についても触れられました。
一般的に、
自殺未遂を経験した人の約1割が、その後に自殺に至ると言われています。
(※研究により数値は変動)
しかし、未遂者の多くが
「相談できなかった」「周りに知られたくなかった」
という声を抱えているのも事実です。
だからこそ、
未遂段階でつなぎ止める支援が非常に大切であり、
早期発見・相談体制の整備が命を守る取り組みであることが再確認されました。
◆ PTAとしてできること
学校現場には、子どもたちの小さな変化を一番近くで感じ取り、
必要な支援へつなぐ役割があります。
一方、保護者や地域もまた、
子どもや家庭が抱える不安を受け止める大切なキーパーソンです。
今回の会議を通して、
PTAとして
●子どもたちの声を聞く姿勢
●保護者同士のつながり
●学校・地域との連携
をさらに深めていく必要性を感じましたし、子供の出すSOSを敏感に察知することの重要性についてにも、改めて考えさせられました。
◆ 地域全体で支える仕組みづくりへ
一方で、子供の生活は、現状、学校と家との往復が主になってしまっているというのが、ほとんどだと思われます。そのため、世界観が狭くなりやすく、知っている大人というのが親と先生だけという子供も少なくありません。そのため、学生がいかに地域と係る環境を創れているかということが重要になってきます。
自殺対策は、行政だけでは決して成し遂げられません。
地域の大人が一丸となって見守る体制が必要になります。
日頃の会話やさりげない見守りが、命を守ることにつながります。
「こんなことで悩んでいいのかな」
「誰に言えばいいかわからない」
という気持ちを抱えた人に寄り添うためにも、
相談できる環境づくりと、支援の輪を広げることが大切だと感じました。
◆ 最後に
子どもたち一人ひとりが、
自分らしく安心して過ごせる地域をつくること——
それがPTAの大きな役割です。
今回の会議で得た学びを活かしながら、
学校・家庭・地域が力を合わせ、
子どもたちとその家族を支える取り組みに、今後も積極的に関わっていきたいと思います。
引き続き、宇和島市PTA連合会の活動に温かいご理解とご協力をお願いいたします。