公のための資本主義
中世から近代に活躍した日本三大商人である近江商人が掲げた「三方良し」の精神。近江国の商人で、現在の滋賀県にあたります。
株式資本主義でもなく、国家資本主義でもない、第3の資本主義の形態。それが公益資本主義にあたるわけですが、この精神はまさに近江商人が掲げていた「三方良し」の精神に基づくものであります。
日本における資本主義の始まり、それは明治時代に渋沢栄一氏が初めて唱えたとされています。日本資本主義の父ともいわれておりますが、当時唱えていた資本主義というものはどのようなものであったのか?当時銀行がない時代に、第一国立銀行などたくさんの銀行や会社の設立に関与した渋沢栄一氏が唱えていたのは、道徳の重要性です。自分の利益を第一に追及していては、富は永続せず、むしろ他者の利益のために商売をしたほうが、富は永続するという考えのもと、資本主義を日本に広めていきました。
現在、日本に浸透している株主資本主義を決して否定しているわけではなく、ただ株主だけではなく、経営者や従業員は当然のこととして、取引先、顧客、地域社会など、いろいろな利害関係者がいて、その関わりあるすべての人に利益を与えるため、商売を行う。公益資本主義とは決して新しい考えではなく、むしろ原点に回帰した考え方だと言えます。
それぞれの立場において、社会の当事者としての意識をもって、公に尽くす。地域再生には欠かすことのできない考え方だと思います。
長文ではありましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
P.S.決してブログネタに尽きて、「We Believe」を手に取ったわけではございません(笑)