居宅介護支援の“受け入れ断り”、6割超の実態
令和7年8月29日付『シルバー新報』で報じられた奈良民医連の調査によると、居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)が利用希望を断るケースが6割以上にのぼることが明らかになりました。ケアマネジャー一人ひとりの業務負担が増し、新規の受け入れが難しい状況が背景にあります。これは奈良県に限らず、全国で共通する深刻な課題だと考えられます。

宇和島市においても例外ではありません。高齢化率が高く、介護サービスの需要は年々増えていますが、ケアマネジャーの数は十分ではなく、一人当たりの担当件数が増加傾向にあります。その結果、新たに介護が必要になった方がすぐに支援につながらず、ご家族や本人が不安を抱えたまま過ごすケースも耳にします。こうした現状は、まさに奈良の調査結果と重なる部分が多いのではないでしょうか。
本来、ケアマネジャーは介護の入り口として、利用者とサービスをつなぐ大切な存在です。その機能が十分に果たせない状況は、地域包括ケアの理念そのものが揺らぐ危険性をはらんでいます。宇和島市においても、「断られる」ことが珍しくなくなってくる現実をしっかり受け止める必要があります。
では、どうすればよいのでしょうか。まずはケアマネジャーの処遇改善と人員体制の充実が欠かせません。働きやすい環境を整えることで、担い手不足の解消につながります。実際、奈良県ではケアマネジャーの年齢において、50歳以上が約7割で、20代は0人ということでした。若い人が魅力的と思えるような働きやすい環境ということがとても重要であると思います。
また、自由記述による政府や県、市町村への要望に関する回答では、更新研修について廃止を訴える声や拘束時間・費用の負担が多いという声もあり、奈良民医連は奈良県と奈良市に受講要件の緩和や費用負担の軽減などを求める要望書を提出する予定だそうです。
奈良民医連の調査は、決して遠い地域の出来事ではなく、宇和島市を含む地方都市が抱える“いま”の課題そのものです。誰もが安心して介護につながれる地域を守るために、行政・事業所・地域社会が一体となって取り組むことが求められています。
私たち一人ひとりがこの課題を自分ごととして捉え、声を上げ、行動につなげることが、安心できる介護の未来を築く第一歩だと感じました。