愛ほっと便り 令和4年2月号 平均寿命と健康寿命
先日、2019年の健康寿命が発表されました。私たちの耳馴染みの良いのはどちらかと言えば平均寿命のほうではないかと思います。平均寿命に関しては世界でもトップクラスの長寿国と言われて久しいですが、2020年の調査結果では、女性が87.74歳で世界1位、男性が81.64歳でスイスに次ぐ2位となりました(香港を除く)。これは偏に日本の医療の技術の進歩の賜物だと思います。
しかし近年、平均寿命の延伸よりも大切なことがあるのではないかと言われています。それが平均寿命と健康寿命の格差の是正です。健康寿命とは健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と言われています。つまり、医療・介護を必要としない期間とも言えます。平均寿命を延ばすだけでは結局のところ、医療や介護に関わる期間が延びるだけです。そのため医療や介護にかかる負担が大きくなります。そうではなく、できるだけ長い期間健康で過ごし、医療、介護に関わる期間を少なくしようとすることを目指しています。
2019年の健康寿命は男性が72.68歳、女性が75.38歳でした。
平均寿命との格差を見ますと、男性が8.73歳差、女性が12.07歳差になっています。つまり、一般的に亡くなる前の8~12年は医療、もしくは介護を必要とする生活が待っていると考えられます。この数字を見ると、介護は短距離走ではなく、長距離走のつもりでペース配分を考えたほうが良いということがよくわかります。特に近年では老々介護が増えていますので、介護者の負担は計り知れません。介護する側も休みながら介護を行うということが、長期的に見ると結果的に介護を必要とする方々に質の良いケアができていくのだと私は考えます。自分たちだけで介護の悩みを抱え込むのではなく、私たち医療、介護事業者を是非とも頼ってください。
現在、新型コロナウィルスの蔓延の影響もあり、なかなか外出できない人が増えていると思います。そのため人に会う機会が減り、運動量も減っていると思われます。外出するということは身なりを整える機会が増えますので、認知症の予防にも良いですし、何よりコミュニティで人と会話することが健康を保つ要素の一つであると私は考えます。健康寿命を延伸するためにも外出するということは大切ですので、早く新型コロナウィルスの蔓延が収束し、気兼ねなく皆さんの外出できる機会が増えることを切に願っております。
株式会社アクティブモア
代表取締役 久德壮一郎