愛ほっと便り 8月号 脳卒中について
愛ほっと便り8月号、これが最後のページとなります。
最後のページは私がコラムを書くようにしております。
今回のテーマは「脳卒中について」
現在、脳卒中という病気は、日本人の死亡原因において悪性新生物、心疾患に次ぐ第3位、また要介護状態になる要因としては認知症に次ぐ第2位ということで、脳卒中になると死亡リスクのみならずその後に後遺症の残るリスクも高い疾患であるといえます。
一般的に脳卒中は、大まかに脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3つに分類されますが、そこからさらに細かく分類されます。
1.脳内出血の場合・・・
出血場所と出血量の特定
① 被殻出血(40~50%)
② 視床出血(30%)
③ 皮質下出血(10~20%)
④ 小脳出血(10%)
⑤ 橋出血(10%)
2.クモ膜下出血の場合・・・
突発的に経験したことのないような激しい頭痛で発症
多くは脳動脈瘤の破裂で起こる
3.脳梗塞の場合・・・
閉塞血管と梗塞部位の特定
① 内頚動脈(10%)
② 前大脳動脈域
③ 中大脳動脈域(70~80%)
④ 後大脳動脈域
脳梗塞の臨床病型
① アテローム血栓性脳梗塞
② 心原性脳塞栓症
③ ラクナ梗塞
※前駆症状として、一過性脳虚血発作(TIA)を伴うことあり
脳出血であるのか、くも膜下出血であるのか、脳梗塞であるのかによって治療法は変わってきますし、生命予後、後遺症も違います。まずは脳卒中にならないように予防に気を付けることが大切です。しかしそれでも発症した場合には、できるだけ早く急性期病院へ受診し疾患にあった治療を受け、その後は回復期リハビリ病棟のある病院へ転院し、集中的なリハビリを受けてください。発症後にどれだけ早く受診できるか、また発症後6か月以内にどれだけ集中的にリハビリを行えるかで、その後の後遺症の回復に大きく関係していきます。
文責:久德壮一郎